共通テスト数学は「戦略科目」
共通テストの数学は、単なる「暗記科目」ではありません。
限られた時間の中で、どの問題を取るか・どこを捨てるかを見極める“戦略科目”です。
「すべてを完璧に」よりも、「確実に取るべき問題」を見抜く力が合否を左右します。
この記事では、あなたの目標点数(60点・70点・80点・90点)ごとに、最適な攻略法を紹介します。
共通テスト数学の特徴

- 時間配分がシビア(数I・A 70分、数II・B・C 70分)
- 誘導型問題が多い(1問ミスが連鎖的に響く)
- 読解力・分析力・判断力が問われる
- 「計算力」より「理解+処理スピード」重視
「解法のパターン暗記」では対応できず、文章から条件を読み取り、数学的思考を整理する力が重要になります。
60点を目指す人の攻略法:基礎の徹底+部分得点狙い

1. 狙うべき問題を絞る
60点を取るには、全体の6割前後を正解すればOK。
つまり、各大問の“解きやすい前半”を確実に取ることがポイントです。
- 大問1(小問集合)は落とさない
- 大問2〜4のうち、1つは「半分正解」できればOK
2. 「教科書+基礎問題精講」レベルを徹底
- 基礎公式を自力で導けるレベルまで理解
- 標準問題集を何度も繰り返す
- 間違えた問題に「なぜ間違えたか」をメモ
3. 過去問で“時間感覚”を身につける
60分で1セットを解く練習を早めに始めましょう。
特に「計算に時間を取られすぎて後半が手つかず」にならないよう、途中で見切る勇気も大事です。
70点を目指す人の攻略法:標準問題の安定化

1. 目標は「正答率70%」
70点は、共テ受験者の中でも上位3〜4割の実力です。
基礎だけでは届かず、標準〜やや難の誘導問題にも慣れる必要があります。
2. 「青チャート」「共通テスト対策本」で思考パターンを学ぶ
- 青チャートの例題レベルを理解する
- 「思考力」「条件整理」の練習を積む
特に確率・整数・ベクトルなど、文章量の多い誘導問題に慣れることが鍵。
3. 時間配分を意識した演習
1問にこだわりすぎず、“30秒ルール”を導入
「30秒考えて方針が立たない問題は、一旦飛ばす」
この“見切りスキル”で、得点効率が大幅アップします。
80点を目指す人の攻略法:誘導問題の理解力を磨く

1. 誘導の「意図」を読む
80点台を取るには、出題者の誘導を正しく読み取る力が不可欠。
「なぜこの条件が与えられているのか?」を常に意識してください。
2. 「共通テスト過去問+予想問題」で慣れる
- 過去5年分を通しで演習
- 模試・予想問題を「本番同様に解く」
- ミス分析ノートを作成し、同じ落とし穴に2度はまらない
3. 分野別の弱点補強
80点を目指す層は、1つの分野での取りこぼしが命取りです。
- 数列・ベクトル・確率などの苦手単元を最優先
- 青チャートのEX問題まで踏み込む
90点以上を目指す人の攻略法:精度とスピードの両立

1. 「満点ペース」で練習する
90点を取る人は、実力的には100点が狙える人です。
目標は「完答率80%+部分点20%」。
2. 解法を“再現”できるように
- 解答を見ずに、自分の言葉で説明できるか?
- 条件整理やグラフのスケッチを素早く・正確にできるか?
本番では思考力よりも自動化された処理力が求められます。
3. “試験戦略”を確立する
- 最初の5分:問題全体を俯瞰
- 難問は「飛ばす勇気」
- 解く順番は得意分野→苦手分野の順
90点を安定して取る人は、「焦らない」+「時間を読む」力に長けています。
使用おすすめ参考書・問題集
レベル | おすすめ教材 | 目的 |
---|---|---|
基礎〜60点 | 教科書・基礎問題精講 | 基礎定着・小問対策 |
60〜70点 | 青チャート例題・共通テスト実戦問題集 | 標準問題の習熟 |
70〜80点 | 共通テスト過去問+模試演習 | 実戦力アップ |
80〜90点 | 難関予想問題・共通テスト総合演習 | 本番想定練習 |
※個人的には青チャートの例題を完璧にするのが、もっともコスパに優れ、オーソドックスなルートだと思っているので、ここでは青チャートをオススメしておきます。

数学は「得点設計」がすべて

共通テスト数学で高得点を取るには、やみくもな努力ではなく「得点設計」が欠かせません。
- 60点狙い → 「取れる問題を逃さない」
- 70点狙い → 「標準問題を確実に取る」
- 80点狙い → 「誘導の意図を読む」
- 90点狙い → 「精度と時間配分の両立」
自分のレベルを正しく見極め、点数別の戦略を立てることで、数学は必ず伸びます。
努力量よりも正しい方向性

共通テスト数学は「努力量」よりも「正しい方向」が大事。
あなたが今どの点数帯にいるのかを分析し、今日から“最適な一手”を打ちましょう。
「苦手だからこそ、戦略で勝てる」
それが共通テスト数学の面白さです。