2024年に新NISAがスタートし、投資に興味を持ち始める人がにわかに増えてきたと感じます。
ですが、新NISAで購入できる投資信託やETF(上場投資信託)は種類が多く、投資について勉強した人でも、結局どれを選んでいいか迷う方も多いでしょう。
ちなみに2024年1月現在、人気があるのはこの2本。
- eMAXIS Slim全世界株式オールカントリー
- eMAXIS Slim米国株式S&P500
三菱UFJのeMAXIS Slimシリーズが上位を独占しているようです。
でもだからといって、思考停止でこの2本から選べば良いのかと言うとそれも違うんですよね。
どちらの投資信託も米国株式に寄りすぎなので、暴落に巻き込まれるリスクは常にはらんでいるからです。
投資先の商品に対する知識が薄いと暴落時に売ってしまう人が続出します。
マイナス時に株を売ると損するだけですし、あなたがそのうちの一人にならないとも限りません。
そこで今回は、新NISAのインデックス投資信託で一番のオススメはなんなのかを、僕の経験をもとに書いていきたいと思います。
ちなみに僕の投資歴は以下の通り。
- 優待株で投資デビュー
- クオカードや優待品に飽きて高配当株へ切り替える
- タコ足配当や、高配当だけど株価が下がり続けてる銘柄に嫌気が差す
- インデックス投資に出会う
- 全ての個別株を売り払い、VOOと現金だけのシンプルポートフォリオに行き着く
こんな感じです。
※VOO(バンガードS&P500ETF)
※ETF=上場投資信託
これらの経験を踏まえたアドバイスになります。
新NISAで選ぶべき究極のインデックス投資信託とは?
それは、
あなたが一番長く持つことができる投資信託です。
別の言い方をすれば、あなたが一番愛着を持つことができ、またはどんな事態になっても保有し続けることができる自信のある投資信託ということになります。
インデックス投資信託は、細かな成績を気にするよりもある程度好みで選んでいい理由
よく言われていることですが、インデックス投資信託は、長期・分散・低コストが原則です。
ある程度の分散が効いてる低コストのインデックスファンドを長期で持つことがポイントになります。
この「長期」というのが最重要ポイント!!
インデックス投資の勉強をされている方なら、株を長期で保有することで得られる「複利の力」のことはご存知ですよね?
元本100,000円×1.1×1.1×1.1×1.1…
みたいなやつです。
実際は上記の式のように単純な増加とはなりませんが、言わんとしてることは伝わると思います。
この複利の力を最大限引き出すには、購入した(もしくは積み立てている)投資信託をなるべく長い期間保有し続けなくてはいけません。
超好景気で多額の利益が出ても、大暴落が起こって、資産がマイナス50%になっても、です。
利益が出ている時はいいのですが、マイナスになるとビビって狼狽売りしてしまう人が半分以上出るとの試算もあります。
※S&P500投資信託の平均保有期間は3年以下!!
でも途中で売ってしまうと「複利の力」の恩恵にあずかれない。
そういうわけで、新NISAで購入する投資信託は、どんなことがあっても売らないで持っていられる自信のあるもの(もしくはそれくらいの金額)を選ぼうという話です。
結局どの投資信託を選べばいいの?
その答えは「人それぞれ」です。
投資に万人向けの正解はありません。
- 現在の年齢
- 家族構成や子供にかかる費用
- リスク許容度
- どれくらいのリターンを望むか
- 配当金の有り無し
- 証券会社への信頼度
などなど、人によってすべて異なるからです。
人気の投資信託を買えば万事解決というわけではない
なぜならオルカンもS&P500も暴落に強い訳では無いからです。
上記でも書きましたが、2024年1月現在の新NISAの人気ファンドは、
- eMAXIS Slim全世界株式オールカントリー
- eMAXIS Slim米国株式S&P500
この2つです。
「とりあえず投資初心者はこのいずれかを買っておけば間違いない」とよく耳にしますが、本当でしょうか?
S&P500は暴落時などマイナス50%は覚悟しなければならない投資先です。
その米国株式を60%近く含むオルカンもまた暴落した際には同程度のダメージを受ける可能性があります。
世界経済は繋がっているので、アメリカだけが単独でダメージを受けるということは基本的にありえません。
リーマンショックはアメリカ発でしたが、その影響は世界中に波及しました。
オールカントリーだから、アメリカだから、分散が効いてるから安心・安全とはならないのです。
みんなが買ってるからと理由で選ぶのは危険
また、「みんなが買ってるから」という理由だけで選ぶと暴落時に損を出したまま売却する確率が高まります。
マイナス株価を更新し続けている投資信託を買い続けるのは本当に辛くて苦しいからです。
- どうして自分はその投資信託を買うのか?
- 数年間に一度の暴落は想定できているか?
- マイナス何%までなら平静を保てるかの?
この辺をしっかり考えておかないと、いざというときやられます。
最悪、みんなが売ってるから自分も売るなんてことになったら、長期投資の意味はなくなりますよね。
僕はVOOを選びます
理由は2つ。
- バンガード社への信頼
- 分配金が出るから
日本の証券会社は、その昔、手数料のやたら高い投資信託をお年寄りや情報弱者の人に売りつけていた過去があります。
当時は99%の投資信託がそういった商品でしたし、いまだにそういった粗悪品を販売している会社もあります。
そうした過去を持つ証券会社には、どうしても信頼がおけないんですよね…。
それらの証券会社と比べ、バンガードという会社は創業時から「顧客第一主義」を貫いており、人気のあるETFは年間手数料0.03%という超良心的な数字に設定されています。
(VOOも年間経費率は0.03%です。)
もう一つ、僕がVOOを選ぶ理由は配当金が出るからです。
(年4回、年率1.5%ほど)
三菱UFJのeMAXIS Slimシリーズの投資信託は、投資効率を考え、配当金を出しません。
この点に関しては合理的で良いと思います。
ですが、リーマンショックやコロナショックなどの暴落時には、ひたすら下がり続ける自分の資産を見るのは本当に辛いです。
そんな時に投資のモチベーションを下げないためにも、配当金を受け取れることには意味があると思っています。
配当金が出る分だけVOOは税制面で若干の不利を受けますが、それを補って余りある魅力の詰まったファンドなので、僕はすべてを受け入れ、VOOをこれからも買い続けるつもりです。
投資は自己責任
新NISAで何に投資するのかは、すべてあなた次第です。
何を優先するのかは、個人個人で違います。
- 投資を超長期で考えることができる人
- マイナス30%以上の暴落も平気な人
- 他人より少しでも利益を出したい人
- とにかく損だけは出したくない人
- 株の値上がりより、配当金重視な人
各人の性格や、お金に対する考え方次第で、投資先やその組み合わせも千差万別です。
- 利益重視なら「QQQ」
- 配当金重視なら「VYM」や「VIG」
- アメリカを信じるなら「VOO」や「VTI」
- 暴落時のダメージを抑えたい人は「BND」
などなど。
もちろん上記で紹介した、
- eMAXIS Slim米国株式S&P500
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
この2つも経費率が低く、分散も効いてる素晴らしいファンドです。
- 投資と勉強は切り離せない
何に投資するべきかよりもずっと大切なのは、
- 投資対象に対する理解
- いざという時(暴落時)に冷静でいられるか
- 絶対に手放さい自信があるか
これらについてよく考えてみることです。
YouTubeやTwitterなどで、インフルエンサーの言われるがまま、よく勉強しないで選ぶと、暴落したときに怖くなって結局売ってしまうハメになります。
そのインフルエンサーの方々に八つ当たりしたりする人もチラホラ見かけますし、投資そのものが怖くなり、二度と手を出せなくなったりしたら大変です。
ですので、株でも不動産でもなんでもそうですが、投資をする時は、
- 投資先についてきちんと勉強する
- リスクやリターンについて理解する
- 自分の頭で考えて、納得できるものに限定する
最低限、この3つは必ずチェックすべきだと思います。
結論!インデックス投資信託は一番長く保有できるものを選ぼう!
インデックス投資信託で利益を出すには、とにかく、
長期・分散・低コスト!!
これが大大大原則です。
よっぽどおかしな投資信託を選ばない限り【分散・低コスト】の部分は問題ないと思います。
投資をする人間にできることは、
良質な投資信託を買い、暴騰や暴落にも耐え、できるだけ長く保有すること。
これだけです。
新NISAの購入対象になる投資信託は、金融庁のチェックが入ったきちんとしたものが多いので、大抵はどれを選んでも大丈夫。
あとは、自分で選んだ投資信託を、我が子のように育ててあげるだけです。
僕も毎月お給料が入るたびに、証券会社にお金を移し、VOOが買えるほど貯まったら1株ずつ積み立てています。
総資産額が増えていくのを見るといつも嬉しくなります。
また、配当金が入った時は、お寿司や焼肉を食べたり、お米や日用品を買ったりなど、日々の生活にも役立てています。
これからもVOOを育て、このファンドと共に生きていくつもりです。
番外編:それでも何に投資していいかわからない人へ
どうしても銘柄選びで迷う方は、気になる株や投資信託を少額でいいので買ってみることをオススメします。
個別株やETFは一株あたり、数千円〜数万円かかりますが、eMAXIS Slimシリーズなどの投資信託ならば一口100円から購入できます。
とりあえず1,2番人気の、
- eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
- eMAXIS Slim米国株式S&P500
これらを一口100円ずつ買ってみて、保有してみると、その投資信託について調べだすかもしれないし、愛着が湧いたりするかもしれません。
それがキッカケとなって、投資の世界にのめり込めればしめたものです。
いきなりわけのわからないファンドに大金を突っ込むのはもちろんダメですが、1口100円ずつ、数種類の投資信託を買うだけなら1,000円もあれば余裕です。
新NISAの銘柄迷子になっている方は、このあたりからスタートしてみてはいかがでしょう?