■「リスクを知らない投資」が一番危険
暗号資産のニュースを見て、「儲かりそう」「みんなやってるし気になる」と思う人は多いでしょう。
でも、始める前に覚えておきたいことがあります。
それは――
「暗号資産は、チャンスと同じくらいリスクもある」ということ。
正しく知って備えれば、リスクは“恐れるもの”ではなく“コントロールできるもの”になります。
今回は、初心者が特に注意すべき5つのリスクをわかりやすく見ていきましょう。
① 価格変動リスク(ボラティリティ)

暗号資産の値動きは、株や為替と比べても圧倒的に激しいです。
昨日100万円だったビットコインが、翌日には90万円、また次の日には110万円――なんてことも。
これは、暗号資産がまだ新しい市場であり、
投資家の心理やニュースに大きく左右されるからです。
たとえば、
- 「大手企業がビットコインを購入」→ 価格急上昇
- 「国が規制を発表」→ 価格急落
短期間で値上がりも値下がりも起こるため、
余裕資金で投資することが鉄則です。
② ハッキング・セキュリティリスク

暗号資産はデジタル上の資産。
つまり、ハッキングの標的になることがあります。
過去には、国内外の取引所がハッキング被害を受け、数百億円規模の暗号資産が流出した事件もありました。
また、スマホやPCがウイルス感染して秘密鍵(パスワード)を盗まれるケースもあります。
🛡️ 対策ポイント
- 強固なパスワードを設定
- 2段階認証を必ず有効化
- 大切な資産はコールドウォレット(オフライン保管)へ
“便利さ”よりも“安全”を優先することが、長く続けるコツです。
③ 詐欺・スキャムリスク

暗号資産の世界では、詐欺的な投資案件や偽サイトも後を絶ちません。
よくある手口がこの3つ
- 「絶対に儲かる」と言われて出資したら消えた
- 偽物のウォレットアプリをダウンロードして資金が盗まれた
- SNS上で「有名人を装った偽アカウント」が送金を誘導
これらはすべて「スキャム(詐欺)」です。
🔍 見分け方のポイント
- 公式サイト・公式アプリ以外は使わない
- 「楽して儲かる」は100%疑う
- 初心者ほど“うますぎる話”に注意
暗号資産は自由な世界だからこそ、自己防衛力が大切です。
④ 税金リスク(利益の扱い方)

意外と見落としがちなのが、税金(確定申告)のリスクです。
日本では、暗号資産の利益は「雑所得」に分類され、場合によっては最大45%の税率が課せられます。
たとえば、
- ビットコインを売却して利益が出た
- NFTを販売して報酬を得た
- 海外取引所で取引して儲けた
これらすべてが課税対象。
知らずに申告しないと、後から追徴課税されることもあります。
📘 対策ポイント
- 取引履歴を定期的に記録
- 税理士や専用ツールの活用も検討
- 「税金込みでいくら利益か」を意識する
⑤ 自己管理リスク(秘密鍵の紛失)

暗号資産の保管には「秘密鍵(Private Key)」というものが必要です。
これは“あなたの資産を開く鍵”のようなもの。
つまり、この鍵を失くしたり盗まれたりすると、あなたの資産は永遠に取り戻せなくなります。
銀行のように「パスワード再発行」はありません。
それが暗号資産の自由であり、怖さでもあります。
🔑 対策ポイント
- 秘密鍵は紙やUSBなどでオフライン保管
- 誰にも見せない(特にメールやSNSに書かない)
- 家族など信頼できる人に保管場所を共有しておく
リスクを知れば、暗号資産はもっと安心して始められる

ここまで読むと、「やっぱり怖いかも」と思うかもしれません。
でも実は、リスクの多くは“対策できる”ものなんです。
- 価格変動 → 長期目線で分散投資
- ハッキング → コールドウォレットで守る
- 詐欺 → 公式情報以外は信じない
- 税金 → 記録をつけて早めに申告
- 秘密鍵 → オフラインで安全に保管
つまり、“知って備える”だけで安全性はぐっと上がります。
リスクを恐れて距離を置くのではなく、「理解して、上手に付き合う」。
それが、暗号資産を楽しむ第一歩です。
まとめ:リスクは「怖さ」ではなく「知識」で減らせる

暗号資産は、まだ新しい世界。
だからこそ、知っているかどうかで結果が大きく変わります。
リスクを理解することは、あなたの資産を守る最強の盾。
焦らず、コツコツと学びながら、“自分の判断で資産を動かす力”をつけていきましょう。
