こんにちは!
今回は、人気ETF「JEPQ」などで採用されているカバードコール戦略について、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
1. カバードコールとは?

カバードコール(Covered Call)とは、株を保有しながら、その株のコールオプションを売る戦略です。
つまり、株の値上がり益をある程度手放す代わりに、オプションプレミアム(オプション売却益)を受け取る方法です。
簡単に言うと…
- 株価が大きく上がらないと見込むときに有効
- 値上がり益よりも配当やオプション収入で安定収益を狙う
- 株価が急騰すると利益が上限で頭打ちになる
例えば、JEPQはNASDAQ100銘柄に投資しつつ、このカバードコール戦略で収益を上乗せしています。
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2. なぜJEPQがカバードコールを採用するのか
JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)は、NASDAQ100の成長銘柄に投資しながらも、高い分配金利回り(年6〜12%程度)を目指すETFです。
しかし、NASDAQ100は変動が大きく、株価が短期で急騰・急落しやすい指数です。
そこでJEPQは、「株価が上がらなくても収益を確保する」ために、カバードコールを活用しています。
- 株価が横ばい → オプション収入が利益になる
- 株価が下落 → 下落リスクはあるが、オプション収入でダメージを軽減
- 株価が急騰 → 上昇益は限定されるが、オプション収入は得られる
3. 仕組みを図解で理解する
基本構造
- JEPQがNASDAQ100の株を保有
- その株に対するコールオプションを売る
- オプションを買った人からプレミアム(収入)を得る
- 株価が上がりすぎると、一定価格で株を「売らされる」

この「プレミアム収入」が、JEPQの高配当の原資になっています。
4. メリットとデメリット

メリット
- 高い分配金利回り
- JEPQは年6〜12%と高配当を実現
- 横ばい相場に強い
- 株価が動かなくてもオプション収入が入る
- 下落リスクをある程度軽減
- オプションプレミアムがクッションになる
デメリット
- 株価急騰時の上昇益を逃す
- オプションで利益の上限が決まってしまう
- 急落時の損失は完全には防げない
- オプション収入で補えるのは一部だけ
- 税金の複雑さ
- オプション収入も課税対象になるため、注意が必要
5. 他のETFとの比較(JEPQ・QQQ・VOO)
ETF名 | 投資対象 | 戦略 | 分配金利回り | 株価成長性 | リスク |
---|---|---|---|---|---|
JEPQ | NASDAQ100 | カバードコール | 高(6〜12%) | 中 | 中 |
QQQ | NASDAQ100 | インデックス | 低(0.6%程度) | 高 | 高 |
VOO | S&P500 | インデックス | 低(1.4%程度) | 中 | 低 |
結論:
- JEPQ → 「安定した高配当を求める人」向け
- QQQ → 「株価上昇のリターン重視」向け
- VOO → 「バランス型・長期分散投資」向け
6. 向いている投資家・向いていない投資家

向いている人
- 毎月の配当収入を重視する人
- 株価の急騰より安定収益を優先する人
- 高配当ETFでリスクを分散したい人
向いていない人
- 株価上昇益を最大化したい人
- 税金処理をシンプルにしたい人
- オプション取引に抵抗がある人
7. 実際のたとえ話でイメージ

カバードコールを、不動産オーナーにたとえるとわかりやすいです。
例:アパート経営のイメージ
あなたはアパート(株)を所有しています。
そこで「来月この部屋を5万円で借りる権利」をAさんに売ります(コールオプション)。
- Aさんは権利を買うために、あなたに1万円のプレミアムを払います。
- 来月の相場家賃が6万円になった場合、Aさんは得ですが、あなたは5万円で貸すことになります(利益上限)。
- 家賃が4万円に下がっても、あなたは1万円のプレミアムを受け取っているので、実質的な損失は抑えられます。
これが、カバードコールの考え方です。
8. まとめ
- カバードコール戦略は「株を持ちながらコールオプションを売る」ことで、オプション収入を得る方法
- JEPQはこの戦略を活用して、高配当ETFとして人気を集めている
- 株価が急騰したときの上昇益は限定されるが、横ばい相場では特に強い
- 長期投資でリスクを分散したいなら、VOOやQQQとの組み合わせも有効