近年、投資家の間で人気が高まっているETFのひとつが「JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)」です。
ナスダック100指数をベースにしながらも、毎月分配金を出す仕組みと、カバードコール戦略を活用する点で注目されています。
この記事では、
- JEPQの特徴
- カバードコール戦略の仕組み
- 他ETFとの比較(VOO・QQQ・JEPI)
- 投資する際のメリット・デメリット
をわかりやすく解説します。
JEPQとは?【概要】
JEPQは、JPMorgan(JPモルガン)が運用する米国ETFで、正式名称は「JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF」です。
ナスダック100指数をベースにしたカバードコール戦略を採用し、毎月の高配当を目指す設計となっています。
項目 | 内容 |
---|---|
ティッカー | JEPQ |
運用会社 | JPMorgan Asset Management |
設立 | 2022年5月 |
対象指数 | ナスダック100指数 |
運用資産 | 約140億ドル(2025年時点) |
配当頻度 | 毎月 |
直近分配利回り | 約10〜12% |
経費率 | 0.35% |
JEPQは2022年に登場した比較的新しいETFですが、高配当かつ毎月分配という特徴から急速に人気を集めています。
JEPQの特徴3つ

① 高配当&毎月分配
JEPQの最大の魅力は、毎月安定的に高配当を得られることです。
直近の分配利回りは約10〜12%と、VOO(約1.3%)やQQQ(約0.6%)と比べて圧倒的に高い水準です。
毎月の分配金例(1,000万円投資の場合)
- 配当利回り10%の場合 → 年間100万円
- 毎月換算すると → 約8.3万円/月
資産形成というよりは、不労所得・キャッシュフロー重視の投資家に向いています。
② カバードコール戦略で安定収益
JEPQは、単にナスダック100指数に投資するだけでなく、カバードコール(Covered Call)を組み合わせています。
これにより、株価の値上がり益+オプションプレミアムという二重の収益を狙えます。
カバードコールとは?
保有している株式に対して、「一定価格で売る権利(コールオプション)」を売却することで、オプション料(プレミアム)を得る戦略。
イメージ図
- JEPQがナスダック100銘柄を保有
- 保有株に対して、コールオプションを売る
- オプション料が収入になる
- 株価が急上昇した場合 → 上昇益は限定的
- 株価が下落した場合 → プレミアム収入で損失を軽減
つまり、「上昇相場で大きく儲ける」より、「安定収入を得る」ことを重視したETFなんです。

③ ナスダック100銘柄に分散投資
JEPQは、ナスダック100指数に連動するため、構成銘柄は主にハイテク株中心です。
主な組入上位銘柄(2025年時点)
- マイクロソフト(MSFT)
- アップル(AAPL)
- NVIDIA(NVDA)
- アマゾン(AMZN)
- メタ(META)
ただし、QQQのように100%株価上昇を狙うETFではなく、オプション売却による収益を優先している点が大きな違いです。
JEPQと他ETFの比較
ETF | 投資対象 | 配当利回り | 分配頻度 | 値上がり期待 | 戦略 |
---|---|---|---|---|---|
JEPQ | ナスダック100 | 約10〜12% | 毎月 | △ | カバードコール |
QQQ | ナスダック100 | 約0.6% | 年4回 | ◎ | インデックス |
VOO | S&P500 | 約1.3% | 年4回 | ○ | インデックス |
JEPI | S&P500 | 約8〜10% | 毎月 | △ | カバードコール |
- JEPQ vs QQQ → 配当重視ならJEPQ、成長重視ならQQQ
- JEPQ vs VOO → ハイテク集中ならJEPQ、分散重視ならVOO
- JEPQ vs JEPI → ナスダック型がJEPQ、S&P500型がJEPI
JEPQのメリットとデメリット

メリット
- 毎月の高配当でキャッシュフローを得られる
- カバードコールにより安定収益を狙える
- ナスダック100銘柄に自動分散投資
デメリット
- 株価上昇時の利益が限定的
- ナスダック100のボラティリティに影響を受けやすい
- カバードコールの仕組みを理解しないとリスクを誤解しやすい
こんな人にJEPQはおすすめ

- 毎月の配当収入を重視する人
- 株価の値上がりよりも安定収益を重視する人
- ハイテク株中心の分散投資をしたい人
- 既にVOOやQQQを保有しており、キャッシュフロー強化を狙いたい人
まとめ
JEPQは、ナスダック100×カバードコール戦略を組み合わせた高配当ETFです。
株価の大幅な上昇益は狙いにくいですが、毎月の安定収益を求める投資家にとって魅力的な選択肢になります。
- 高配当&毎月分配 → キャッシュフロー重視向き
- カバードコールで安定収入を確保
- 成長重視ならQQQ、分散重視ならVOOと組み合わせると効果的
「配当収入で生活を豊かにしたい」という人に、JEPQはおすすめできるETFです。