トランプ大統領がジェローム・パウエル議長に対して厳しい発言を繰り返していることで、「次のFRB議長は誰になるのか?」という話題がアメリカ経済界を賑わせています。
ここでは、報道で取り上げられている有力候補10人の経歴や政策スタンスをわかりやすくまとめました。
目次
1. スティーブン・ミラン
- 現職・経歴:2025年3月からホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)議長。ハーバード大学で経済学博士号を取得し、学者としてのバックグラウンドを持つ。
- 特徴:利下げ重視で、FRBの制度改革(理事の任期短縮や解任可能化など)を主張。独立性への影響を懸念する声も。
2. クリストファー・ウォーラー
- 現職・経歴:2020年からFRB理事。セントルイス連銀出身で、経済学博士。
- 特徴:インフレ抑制時は利上げ派だったが、現在は利下げ志向へ。柔軟な政策スタンスで市場の評価も高い。
3. ケビン・ハセット
- 現職・経歴:2025年からホワイトハウス国家経済会議(NEC)長官。2017〜19年にはCEA議長を務めた。
- 特徴:トランプ大統領の信頼が厚く、利下げ派。FRBの独立性に関する懸念は残るが、政策実行力に注目が集まる。
4. ケビン・ウォーシュ
- 現職・経歴:元FRB理事で、リーマンショック後の危機対応に関わった経験を持つ。現在はスタンフォード大学フーバー研究所所属。
- 特徴:市場から安定感のある人物と評価される。かつてはハト派寄りだったが、政権との協調路線を取る可能性も。
5. ジェームズ(ジム)・ブラード
- 現職・経歴:元セントルイス連銀総裁(2008〜2023年)。現在はパデュー大学ビジネススクール学部長。
- 特徴:最近は利下げを支持。柔軟な政策運営と改革志向で知られる。
6. ミシェル・ボウマン
- 現職・経歴:FRB副議長。詳細な経歴は報道されていないが、現職として候補リスト入り。
- 特徴:現職ならではの経験と安定感が強み。
7. フィリップ・ジェファーソン
- 現職・経歴:FRB副議長。学界出身で金融政策に精通。
- 特徴:ボウマン同様、現職としての経験と知見が評価される。
8. ロリー・ローガン
- 現職・経歴:ダラス連銀総裁。金融市場運営の経験が豊富。
- 特徴:地域連銀のトップとしての視点を持ち、バランス感覚に優れる。
9. マーク・サマーリン
- 現職・経歴:マクロ経済コンサルタント。ブッシュ政権時代に財務関連ポストを経験。
- 特徴:危機対応の経験と保守的な政策スタンスが持ち味。
10. スコット・ベセント
- 現職・経歴:2025年から財務長官。ヘッジファンド運営の経歴を持ち、市場経験が豊富。
- 特徴:一時は有力候補とされたが、直近の報道では候補から外れたとの情報も。
まとめ
トランプ大統領は利下げ志向の候補者を好む一方で、市場の信頼やFRBの独立性にも配慮する必要があります。
「二人のケビン(ハセットとウォーシュ)」が注目を集めつつも、現職理事のウォーラーや元総裁のブラードなど、経験豊富で柔軟な人材も有力視されています。
次期議長が誰になるのか、今後も目が離せません。