高校数学の学習において、多くの受験生が頼りにしているのが「青チャート」です。分厚い参考書でありながら、その網羅性と解説の丁寧さから「数学のバイブル」と呼ばれることも少なくありません。
しかし、よくある疑問が「青チャートって、いつから始めればいいの?」「いつまでに終わらせるべきなの?」というものです。
本記事では、青チャートを効果的に活用するためのタイミングや学習計画について、受験戦略の観点から徹底解説していきます。
目次
青チャートとは何か?

青チャート(正式名称:チャート式基礎からの数学)は、数研出版が発行する定番の数学参考書シリーズです。
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- 特徴1:網羅性
入試で問われるあらゆる分野・パターンをほぼカバーしている。 - 特徴2:丁寧な解説
各例題に詳細なプロセス解説があり、独学でも理解しやすい。 - 特徴3:レベル感
難易度は基礎〜標準〜発展まで幅広いが、基本は「共通テスト〜難関大レベル」まで対応可能。
つまり、使いこなせば 受験数学の土台から頂点まで支える参考書 となります。
青チャートを始めるタイミングは?

では、いつから始めるべきでしょうか?結論から言うと、高1〜高2の早い段階から少しずつ取り組むのが理想です。
高1:教科書と並行してスタート
- 学校で習った範囲を青チャートで「例題」ベースで確認。
- この時期は「1日1題」で十分。
- 習った直後に解くことで定着が早い。
高2:本格的に進める
- 数学ⅠA・ⅡBを一通り終えている人は、このタイミングで体系的に復習。
- 青チャートを計画的に進めることで、苦手分野の穴を埋めやすい。
高3:仕上げ・総復習
- 入試に向けて「解けない問題」を中心に演習。
- 新しく解き始めるのは効率が悪いので、高3から使う場合は「弱点補強用」と割り切るのがベスト。
青チャートを終わらせるべきタイミング

では、「いつまでに」終わらせるのが理想でしょうか?
共通テストを目標にする場合
- 遅くとも高3夏までに一周を終えること。
- 夏以降は「過去問演習」や「模試対策」が中心になるため、参考書に時間をかけすぎるとアウトプットが不足する。
難関大二次・私大入試を目指す場合
- 高3春〜夏に一周目を完了させたい。
- 秋以降は「赤本」や「大学別模試」に注力。
- 青チャートは「分からない問題を確認する辞書」として活用。
青チャートの効率的な進め方

ただ漫然と解いていては終わりません。効率的に使いこなすポイントを解説します。
①「例題」に絞る
- 青チャートは分厚いが、まずは例題だけで十分。
- 例題を網羅するだけで、入試の8割以上は対応可能。
② 間違えた問題に印をつける
- 1周目でできなかった問題は必ず印をつける。
- 2周目はその問題だけを解き直す。
- 「できる問題を何度も解く」のは時間の無駄。
③ スケジュール管理
- 例題は1冊あたり約500題。
- 1日5題ずつ解けば、100日(約3か月強)で1周可能。
- 受験まで1年あれば、2〜3周できる。
青チャートと他の参考書の位置づけ

青チャートだけで受験は乗り切れるのか?とよく聞かれます。
- 共通テストレベルなら、青チャート例題を完璧にすれば十分対応可能。
- 難関大二次試験では、青チャートだけでは演習不足。過去問や応用問題集が必要。
- 青チャートは「基礎〜標準の土台固め」に特化して使うのがベストです。
青チャートを途中で挫折しないために

青チャートは分厚いので、多くの受験生が途中で挫折してしまいます。継続するための工夫を紹介します。
- 小分けにして進める
「今日はこのページまで」と細かく区切ることで負担を減らす。 - 復習ノートを作らない
ノートまとめに時間をかけすぎると非効率。問題集は書き込みOKで活用。 - 勉強仲間をつくる
友人と進捗を共有すれば、自然とモチベーションが続く。
具体的な学習プラン例

高1〜高2生向け
- 1年目:学校の進度に合わせて「例題」を解く。
- 2年目:夏までにⅠA・ⅡBを一通り終える。冬までにⅢも基礎を固める。
高3生向け(これから始める人)
- 春〜夏:1日10題ペースで例題を一気に消化。
- 秋以降:青チャートは辞書的に利用し、赤本・模試で演習中心へ。
まとめ

青チャートは「受験数学の基盤」を固めるための最強ツールです。
- 始めるタイミング:高1〜高2からが理想。高3から始める場合は「弱点補強用」に。
- 終わらせるタイミング:高3夏までに1周。難関大志望なら春〜夏に完了させる。
- 進め方:例題中心、間違えた問題を繰り返し、計画的に進める。
計画的に取り組めば、分厚い青チャートも必ずやりきれます。
受験本番に「青チャートをやっておいてよかった」と思えるよう、今日から一歩を踏み出しましょう。
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